都内のフランス大使公邸でAFPのインタビューに答える小澤征爾(Seiji Ozawa)さん(2013年4月8日撮影)。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO 【4月23日 AFP】指揮者の小澤征爾(Seiji Ozawa)さん(77)が、クラシック音楽誕生の地・欧州で学ぶ夢を果たすために、渡欧資金を援助してくれる企業を求めて日本全国を訪ね歩いたのは今から50年以上も前のことだ。 早熟の天才に賭ける意気込みがあったのはわずか一社、欧州大陸を駆け巡るためにとスクーターを提供してくれた富士重工業(Fuji Heavy Industries)だけだった。ただし条件が一つあった。どこへ行くときもスクーターの後ろに日の丸を掲げ、戦後の高度経済成長期に突入しつつあった日本の宣伝に一役買うという条件だった。 2か月間の航海を経て、背中に担いだギターと日の丸、スクーターと一緒に小澤さんが船から降り立っ