アイスランドの南、北大西洋に浮かぶスルツェイ島は、地球上で最も新しい島の一つだ。1963~67年に起きた海底火山の噴火によってできた。現在、スルツェイ島はごく少数の認可を受けた研究者だけが島への上陸を許されている。ここは人類の影響を排し、生態系がどのように形成されるのか、その過程を記録するために自然保護区に指定された、特別な島なのだ。 ■50年前に誕生したばかりの島 生まれたばかりの島は、ベストマン諸島最大のヘイマエイ島の南西沖20キロに位置している。火山噴火を示す最初の兆候があらわれたのは1963年11月14日、周辺海域の海水温の変化、噴煙、硫化水素臭のすべてが観察された。実際にはその数日前、すでに噴火は水深130メートルの海底で始まっていた。 噴火は地殻の亀裂に沿って起こり、海上に噴き上がった粉塵や灰の柱は数キロの高さに達した。1 週間で新島が形成され、北欧神話の炎の巨人「スルト」にち