今更なんだけど、井上純一『中国嫁日記』の、単行本について書く。 レビューでもないし、感想でもない……いってみれば、まあ、思い出話だ。 僕が、井上さんに初めて会ったのは、十五年ほど前で、その時僕はまだ学生だった。 十五年の間、仕事の上で、というか、そもそも仕事を始めるところから、本当にお世話になったし、「やにおくん、生活苦しいでしょ」と、同人誌の原作を任せてくれて、その頃色々と行き詰まっていた僕には、その収入は本当にありがたかった。 井上さんが結婚するまで、僕は井上さんと、毎月、最低でも一回は食事をし、朝までアニメやゲームの話をした。井上さんは、そのたびに「金に困ってないか?」と聞いてくれた。 仕事で何度も迷惑をかけて、怒られたことも何度もあって、それでも、月に一回は食事をして、朝までアニメやゲームの話をしていた。 『中国嫁日記』1巻に収録された書き下ろし長編「中年男と中国娘」には、井上さん