柔道界に不祥事が相次ぐ中、1992年バルセロナ五輪銀メダリストの溝口紀子氏が23日、東京都内で行われたシンポジウムで、30代の女子選手から「全日本柔道連盟(全柔連)の現職理事にセクシュアルハラスメントを受けた」と相談を受けたことを明らかにした。 溝口氏や女子選手の弁護士によると、女子選手は2011年12月、都内の地下鉄駅構内にあるエレベーターの中で理事に抱きつかれ、無理やりキスをされるなどした。2人が柔道大会の打ち上げの酒席に参加した後だったという。 今月中旬に相談を受けた溝口氏は、柔道界のセクハラ根絶に取り組むワーキンググループにも訴えの概要を伝えた。弁護士は「泣き寝入りしないために声を上げた。今後、理事に辞任を求めることもあり得る」と話した。この日のシンポジウムは、アスリートの権利擁護や競技団体のガバナンス(統治)がテーマ。溝口氏は暴露の理由について「パワハラ、セクハラは日常に存在する