本稿では、LINQ(Language Integrated Query)の生い立ちについての話をしてみたい。 LINQは、C# 3.0の目玉機能として、2005年夏に発表、2008年に初頭に製品化されたものである。製品化から数えてももう3年が過ぎたわけだが、いまだ誤解の多い機能だろう。LINQの一側面だけを見て、 O/Rマッパーの一種 C#やVB(Visual Basic)のコード中にSQL風のクエリを埋め込める機能 などといわれることもある。これは、一側面が見えているだけいいかもしれない。まれに、 if文やfor文が書ければ、プログラムは書ける C# 3.0/VB 9で何だかいきなり機能が増えすぎてもう付いていけない というような声さえ聞こえてくる。 しかし、そう身構えないでほしい。LINQが目指すものは実のところ単純で、「データ処理の直交化と汎用化」である。この考え方は何もLINQで初