亡母の喪中につき新年の御挨拶は控させていただきます。 12月。 母の49日に戻れなかったので、100日法要の墓参りは必ずしたいと思い、 娘のスクールの校長先生に日本の亡き人へのセレモニーの説明をし許可をもらい、 冬休みを待たず日本に帰国した。 明くる日早起きをして東京駅から上越新幹線に乗り、生まれ故郷の高崎に向かった。 娘と二人で高崎に帰るのは初めてだ。 烏川のほとりにあるお寺さんに御挨拶に伺う。 幼少の頃、大きなうねりすら感じた烏川は想像以上に小さく、 しかしその向こうに見える山々はあの頃の光や匂いや温度や切なさを全て思い出させてくれた。 妹たちとタクシーで30分ほど離れた霊園へ。並んだ多くの墓から布袋家の墓を探す。 母が入った墓は以前とは違って愛おしく、水をかけて洗う作業も、 なんだかベッドの上の母の手をさするような気持ちに似ていた。 「お母さん、遅れてごめんね。ロンドン、ニューヨーク