「アリとキリギリス」の寓話に見られるように、アリといえば「働き者」というのが一般的なイメージである。しかし、最近の研究では、必ずしもアリは働き者ばかりというわけではなく、ほとんど働くことなく一生を終えるアリもいるということが分かってきたのだそうだ。そんなアリを代表とする真社会生物の生態について書かれている本が、今日取り上げる『働かないアリに意義がある』(長谷川英祐)である。 働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書) 作者: 長谷川英祐出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2010/12/21メディア: 新書購入: 63人 クリック: 995回この商品を含むブログ (82件) を見る はじめに断っておくと、本書は純粋に生物学の本であり、労働問題についての本ではない。そういうのを期待するとちょっと外れるので気をつけてほしい。もっとも、本書には生物学の本を超えて、集団と
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