大田区の高級住宅地にあった自然林が昨年末、マンション開発のため伐採された。江戸時代からほぼ手つかずの「奇跡の森」を残そうと、住民が立ち上がり、区も買収をめざしたが実らなかった。なぜ守れなかったのか。 伐採されたのは、大田区鵜の木1丁目の個人宅の敷地内の林。環状8号線に面し、田園調布に近接する好立地にかかわらず、約9千平方メートルのほとんどが樹木で覆われていた。地域住民からは、地主にちなみ「天明(てんみょう)さんの森」と親しまれていた。 区内最大とされたトチやイチョウなど幹の直径1メートルクラスの大木をはじめ、直径10センチ以上の樹木が581本あった。