がん細胞をウイルスに感染させて破壊する日本初の「ウイルス療法」の治験を脳腫瘍(しゅよう)の患者で始めると、東京大医科学研究所が18日、発表した。ウイルス療法は手術、抗がん剤治療、放射線治療に次ぐ第4の治療法として期待されている。研究チームは、3~4年以内の実用化を目指す。 対象は、脳腫瘍の中でも最も治療が難しい「膠芽腫(こうがしゅ)」で、手術でがんを摘出後、放射線と抗がん剤を使ってもがん細胞が残っていたり、再発したりした30人。口唇ヘルペスウイルスの遺伝子を改変し、がん細胞だけで増殖し、正常な細胞では増えないようにした。このウイルスを針で腫瘍に注入して、がん細胞に感染させて破壊する。 安全性を確認するための臨床研究では、副作用はほとんどなかった。通常診断から1年ほどの平均余命だが、10人中3人が3年以上生存した。今回は医師主導で治験を行い、生存期間がどの程度延びたか、治療効果をみる。 この
アメリカで、母親から感染したエイズウイルスが出生直後の抗ウイルス薬の投与でほぼ消滅していた子どもから、再びウイルスが検出され、新たな治療法につながると注目された研究成果は、見直しを迫られることになりました。 アメリカで、現在、3歳10か月になる女の子は、母親の胎内でエイズウイルスに感染し、生後30時間後からおよそ18か月間にわたって、抗ウイルス薬の投与を受けた結果ウイルスがほぼ消滅し、新たな治療法につながる成果として注目されていました。 しかし、アメリカの国立アレルギー感染症研究所によりますと、女の子は、そのあと治療を受けずに、2年余りにわたってウイルスが検出されない状態が続いていましたが、今月の定期診断の際に血液からウイルスが検出されたということです。 治療に当たった研究者は「非常に残念な結果で、完治に向けた巨大なパズルの最後のピースにならなかった」と話し、注目された研究成果は見直しを迫
ほくろのがんとも呼ばれる皮膚がんの「メラノーマ」について、厚生労働省は、国内の製薬メーカーが開発した新たな治療薬を世界に先駆けて承認する方針を決めました。 メラノーマは、ほくろのがんとも呼ばれる皮膚がんの一種で、進行すると手術や抗がん剤などによる治療が難しい病気です。 26日、厚生労働省の専門家会議が開かれ、大阪市に本社がある小野薬品工業が開発したメラノーマの新たな治療薬「オプジーボ」を承認する方針を決めました。 この薬は体の免疫機能を弱める「PDー1」というタンパク質の働きを妨げることで、免疫にがん細胞を攻撃させてがん細胞の増殖を抑えるのが特徴で、承認されれば世界で初めてだということです。 新たな治療薬は近く正式に承認され、年内にも流通が始まる見通しです。 メラノーマは、国内では年間に少なくともおよそ1400人が発症し、700人が亡くなっていると推計されています。 患者で作る団体の徳永寛
米ワシントンD.C.(Washington D.C.)の米連邦議会で議会指導者らと会談するダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(2014年3月6日撮影)。(c)AFP/Jim WATSON 【3月7日 AFP】チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ(Dalai Lama)14世が、訪米中に発表されたインタビューの中で同性婚に問題はないという立場を示し、同性愛嫌悪を非難するとともに、仏教とは異なる習慣の人々の間で合意の上で行われる性行為は気にしないと述べた。 ダライ・ラマは米国の著名司会者ラリー・キング(Larry King)」氏によるオンライン・トークショーで、同性婚はそれぞれの政府次第であり、最終的には「個人的な事柄だ」と述べ、「2人の人間──カップルが、その方が現実的だと感じ、満足が得られ、両者が完全に合意しているのであれば問題ない」と語った。 また公共政策と個人の道徳を区別し、性
スウェーデン北部ラップランド(Lapland)地方で撮影されたトナカイ(2010年12月20日撮影、資料写真)。(c)AFP/JONATHAN NACKSTRAND 【12月27日 AFP】スウェーデン北部では冬の訪れとともに、少数遊牧民族サーミ(Sami)の人々が雪山から数千頭のトナカイを連れて下りてきて、低地の牧草地で放牧する。数世紀にわたって続くサーミ伝統の暮らしだ。この伝統的な遊牧生活を今、鉱山開発が脅かしている。 サーミは欧州連合(EU)加盟国内で唯一の先住民族で、小さいながらも緊密なコミュニティーを築いてきた。ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアにまたがって約8万人が暮らす。しかし、この先どれくらい独自の生活様式を維持していくことができるのか、サーミ人たちは不安に襲われている。 北極圏に近い町ヨックモック(Jokkmokk)近郊のJaahkaagasska地方では、露
【野瀬輝彦、大岩ゆり】福島県の子ども59人で甲状腺がんやその疑いが見つかったことについて、環境省と福島県は21日、専門家の意見交換会を開いた。東京電力福島第一原発事故による被曝(ひばく)の影響が現時点で現れていることを否定する意見が多く出た一方で、「被曝による多発」を疑う指摘も出された。県などは今後の検査結果も分析して、被曝との関係を詳しく調べる方針だ。 甲状腺検査は事故当時18歳以下を対象に行われ、9月30日現在で約23万9千人のうち59人ががんやがんの疑いと診断された。うち1人は良性だった。 検査を行っている県立医大の鈴木真一教授(甲状腺外科)は、これまでに見つかったがんやがん疑い例について「被曝の影響とは考えられない」と話した。その根拠について「がんが見つかった子どもの年齢分布も10代後半が多く、若年齢が多いチェルノブイリとは異なる」などと説明した。 これに対し、岡山大の津田敏秀教授
米ニューヨークの金融街ウォール街を占拠した「オキュパイ・ウォールストリート(Occupy Wall Street、ウォール街を占拠せよ)」から2周年を記念した格差社会への抗議行動に参加する人々(2013年9月17日撮影)。(c)AFP/Emmanuel Dunand 【12月3日 AFP】米ケンタッキー(Kentucky)州に住むシャーリー・ログスドン(Shirley Logsdon)さん(80)の元には、この1年半の間、未払いの医療費を請求する債権回収会社からの電話が執拗(しつよう)にかかってきていた。ところがある日突然、ログスドンさんは1通の手紙を受け取り、告げられた──あなたの983ドル(約10万円)の債務は「オキュパイ・ウォールストリート(Occupy Wall Street、ウォール街を占拠せよ)」運動につながる組織「ローリング・ジュビリー(Rolling Jubilee)」が債
東京電力福島第1原発4号機の使用済み燃料プールの冷却装置が停止した問題で、東電は30日、予備として設置されている別系統の冷却装置も起動できない状況にあると発表した。プールの温度は急上昇していない。東電は原因を調べている。 冷却装置は同日午前6時25分ごろ、システムの異常を知らせる警報が鳴って自動停止した。本来なら予備の装置を使って冷却を再開させるが、何らかの原因で起動できなかった。 30日午後4時現在のプールの温度は35・8度で、1時間当たり約0・26度上昇している。
大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働の安全性を検証している福井県原子力安全専門委員会は10日、一般傍聴席からの抗議が約15分間続き、委員らが一時退室。開会が遅れる事態となった。 同専門委では同3、4号機の安全性を確認に向けて報告をまとめる作業に入るが、開始時間直後から一般傍聴席から「立ち見でもいいから全員入れろ」「俺を殺す気か」「こんな委員会を開くのは暴挙だ」などと抗議が相次ぎ、委員席に迫るシーンも。 県側が不規則発言を制止したが反発の声は止まず、16分後、中川英之福井大学名誉教授を含む出席委員11人全員が一時退室した。 一般傍聴席は抽選により50人が用意されている。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く