光学機器大手「オリンパス」の損失隠し事件を巡り、同社が昨年10月から2か月間、辞任した菊川剛前会長(70)に東京都内の賃貸マンションの一室を提供していたことがわかった。 当時、同社の第三者委員会が不正経理問題を調査しており、同社広報・IR室は「第三者委などの聴取に支障を来さないため、社宅として提供した」と説明している。 同社によると、提供を始めたのは会長兼社長職を辞任した直後の10月28日。その後、第三者委が設置され、菊川前会長は、損失隠しへの関与を認めて取締役も辞任したが、提供は12月24日まで続いた。月数十万円の家賃は同社が負担。前会長の自宅は川崎市内にある。 企業の危機管理に詳しい浅見隆行弁護士は「コーポレートガバナンス(企業統治)を見直そうとする会社の姿勢として問題」としている。