東京都と神奈川県の多摩川河川敷で不法耕作が目立っている。国土交通省が確認しているだけで130カ所余り。低い堤防を越えて侵入した近隣住民らが、家庭菜園代わりに野菜や花を育てているという。国交省は「増水時に危険」などとして対策強化に乗り出す。 9月中旬、川崎市多摩区の多摩川河川敷。約10メートル四方の畑で70代の女性が大根や赤カブ、ブロッコリーなどの世話に精を出していた。東京・二子玉川のマンション住まいで、5年ほど前から週3、4日、自転車で通っているという。 「だめだとはわかっているけど、孫においしい野菜を食べさせたくて。スーパーの野菜はあまり食べないけど、私が作った野菜は喜んで食べる。野菜嫌いも直ったんだよ」。冬場は畑仲間とお茶を飲み、世間話をする。「マンションは近所づきあいが少ない。畑に出ると色んな人に関われて楽しいよ」と笑顔だった。 8月中旬には、手作りの柵で区… こちらは有料会員限定記