齊藤誠氏の東洋経済論説に高橋洋一氏が夕刊フジの論説で噛みついた。一方、齊藤氏は、高橋氏への直接の反論は避けつつも、自HP上のメモという形で自らの考え方の背景を説明している。 齊藤氏は、13年度の異次元緩和による銀行の日銀預け金の増加が、同期間の銀行のバランスシートの増加、就中、銀行の資金調達源である預金の増加を上回っていることを問題視している。このことは、後者の資金調達によって賄うはずだった他の要因を異次元緩和がクラウドアウト*1してしまったことを意味するのではないか、それは信用創造機能の低下を意味するのではないか、というのが氏の問題意識である。 具体的な数字として齊藤氏は、資金循環統計の預金取扱機関から以下の数字を示している。 (資産サイド) 増減額 日銀預け金 69.2 兆円 国庫短期証券 △16.5 兆円 国債・財投債 △27.2 兆円 (負債サイド) 増減額 預金 31.0 兆円