かつて「猿にマシンガン」「うっかりインサイダー」などの型破り発言で話題をまいた行政官が、現場体験を踏まえて金融・証券市場のさまざまな論点に切り込む。『霞ヶ関から眺める証券市場の風景』(金融財政事情研究会)を書いた金融庁証券取引等監視委員会事務局長の大森泰人氏に聞いた。 ──500ページを超える大著です。 法律専門誌の3年半にわたる連載を本にしただけだ。連載そのものはもう2年近く前に終わった。仕事の合間にゆっくり補足の筆を執ったら分厚い本になってしまった。 ──行政官の息遣いを感じます。 金融制度の執行に携わる立場から、証券市場や金融システムを20年ほど見てきた者の感想にすぎないと、自分では思っている。 あえていえば、いったん民主党の政権になって「気配」を表さない行政官が増えた。それに頓着しない鈍感な人は珍しいのかもしれない。自身としては、気配を隠して生きるのは面倒なので隠さないというだけだ
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