山内氏とは10年以上も前に一度しか面と向かってお話を伺ったことはない。当時は米マイクロソフトがXboxでゲーム機に乱入しようとしていた時期で、所見を伺うと、「ビル・ゲイツは偉大な経営者。しかしどんなに偉大な経営者でも神ではないので得意でないことがいくつかあり、そのひとつがゲーム」と切り捨てた。 印象深かったのは、携帯型ゲーム機(当時はゲームボーイアドバンス)についての見方だ。携帯電話の機能が進化してくれば「こんなもん(携帯型ゲーム機)要らなくなりますよ」と漏らしていた。果たして、スマホの急速な普及で、時代は山内氏が懸念した方向に進んでいる。 山内氏は折に触れ任天堂は「ただの娯楽屋」と謙遜していたが、技術の波に翻弄されざるをえないゲーム機メーカーの危うさを鋭く感じていたのだろう。 以下略