早くも折り返しを迎えている今シーズンのプロ野球。厳しくも温かみのあるコメントで知られる野球評論家の野村克也さんは、選手時代に本塁打王を9回、打点王を7回獲得し、球史に大きな足跡を残す名選手。監督としてもヤクルトスワローズを3度の日本一に導いた名将です。輝かしいキャリアを誇る野村さんですが、プロ入り当初はまったくの無名。1954年に南海ホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)に入団した時は契約金ゼロのテスト生でした。 プロ野球に入るような選手たちは、何かしら「いいもの」を持っている。だからドラフトで指名される。逆に言えば、最初から「長所」を高く評価されてプロ入りしているため、謙虚さを失ってしまう。そこで達成感に浸ってしまう。 正直、気持ちはわからないでもない。皆小さい頃からプロ野球選手になりたいと思って生きてきて、夢をかなえるわけだから。でも、プロ入りは社会人としてゴールではなく、出発点。そ