「ええ、偏っていますが、何か」 自分が購読している新聞に、安保法制に反対ばかりで「偏っている」と批判したところ、ホームページ上でこんな風に開き直られたらどう思うか。 ご存知の方も多いだろうが、神奈川新聞が1年以上にわたって続けている『時代の正体―権力はかくも暴走する』というシリーズが「偏っている」との批判に対し、担当デスクが署名入りで反論した文章だ。安保法制に反対する若者のグループ「SEALDs」(シールズ)や憲法学者らの思いを紹介し、米軍基地建設のために埋め立てられる沖縄・辺野古やヘイトスピーチの現場などを記者が訪ね歩き、時代の空気とそれに抗う人々の風景を描いた。安倍晋三政権が進めた安保法制を「暴走」と指弾して正面から立ち向かった企画だ。集団的自衛権を容認する閣議決定を下した直後の昨年7月から始まり、現在も続いている。つい先日、「平和・協同ジャーナリスト基金賞」の奨励賞を受賞した。 記事