「産業優先で安心は無視するのか」--。海江田万里経済産業相の発言は、原発周辺に住む全国の住民に不安や怒りを広げた。 全7基のうち3基が停止中の新潟県柏崎刈羽原発。地元住民らでつくる「柏崎刈羽原発反対地元3団体」共同代表の高橋新一さん(63)は「福島県民や国民の気持ちをどう思っているのか。福島第1原発事故が収束した段階ならば分かるが、多くの避難者がいつ帰れるか分からない。稼働再開の前に、事故の収束や補償問題などやることがいっぱいあるはずだ」と、国への不信感をあらわにした。 核燃料再処理工場がある青森県六ケ所村に住む60代の無職女性は「『脱原発』の流れが世界で高まっている中で、違和感を覚える」。 福井県の市民団体「原子力発電に反対する福井県民会議」の小木曽美和子事務局長は「原発事故を受けた新たな安全基準や耐震設計審査指針などを具体的に何も示していないのに、どうして運転を再開できると言えるのか」