欧米で流行する仏教由来の瞑想法(心理療法)「マインドフルネス」が日本でも広まりつつある。臨床的、科学的に効果が指摘される瞑想法に魅力を感じる人が増え、その流れで坐禅会に顔を出す人も見られるようになった。いち早く注目する仏教者がいる一方で、伝統的な瞑想法と比べ否定的な意見も聞かれる。仏教界はこのブームをどのように受け止め、仏教者としてどのように対応するのか。(赤坂史人) マインドフルネス(mindfulness)とは 仏教の念(パーリ語のsati=サティ)の訳語。日本語では「注意深さ」「気付き」「心にとどめておくこと」などと訳される。仏教の八正道の一つ、正念に関する実践。 呼吸や身体の一部に注意を向ける瞑想法で、体の感覚を観察する「ボディスキャン瞑想」や「歩く瞑想」「食べる瞑想」などがあり、組み合わせて実践する。感じたことに価値判断を入れず、今あるがままの感覚、状態を受け止める方法。 「坐禅