濃度変化と脳卒中の死者数 東京都がディーゼル車の規制を強化した2006年を境に、東京都区部で脳卒中の死亡率が8.5%減った、と岡山大などが推計した。研究チームは、排ガスなどから生じ、呼吸器だけでなく循環器への悪影響が強いと懸念されている「PM2.5」という大気汚染物質の濃度低下と関係していると見ている。 具体的な大気汚染政策が市民の健康にどう影響したかを検証した研究は、国内で例がない。今回の結果は、国や自治体が大気汚染政策を立てる際のよりどころになると見られる。 大気には、窒素酸化物など汚染物質が混ざってできた微粒子が漂っている。このうち、スギ花粉の10分の1程度のごく小さな粒子をPM2.5と呼び、区別している。肺の最深部から全身の血流に入り込むため、呼吸器病に加え脳卒中など循環器病のリスクまで高めるとされている。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登