ぼくの住んでいる街の駅前広場には小さな時計台があって、それはもちろんポータルとして登録されている。 学校の行き帰りにスキャナー画面を起動して、ポータルレベル8の時計台がひときわ強い青い光を放ち、周囲のポータルと密接にリンクされ、まるで蜘蛛の巣のように複雑な幾何学模様を描き出していることを確認する。 スマートフォンの小さな画面を通して見える青い世界に、名状しがたい安堵をおぼえる。 * 実際の地図と位置情報を利用した世界規模の陣取りゲーム「Ingress<イングレス>」 青と緑の両陣営が、日本中……いや世界中いたるところに点在するポータルを巡って熾烈な領土争いを繰り広げている。 ぼくは、その青の陣営――通称「レジスタンス」――に属するエージェントだ。 世界を青で覆い尽くす。 それがぼくの使命だ。 誇り高きレジスタンスのエージェントたるぼくの使命。 自宅から駅、そして学校の周辺はぼくのテリトリー
『ニコニコ動画』で100万再生を超える人気楽曲『ココロ』をご存じだろうか。人間のように歌うソフトであるボーカロイド『鏡音リン』で歌われた曲で、ある科学者によって作られたロボットが数百年の時を超えて人の心を手に入れるというストーリー性の高い歌詞が特徴だ。このストーリーは、作曲者がいて初めて声を出せる『鏡音リン』自身の立場を連想させ、聞くものに大いなる感動を呼んだ。この『ココロ』が舞台化されるときいて、取材に行ってみた。 舞台化を行うのはココロ舞台化計画という集団だ。水戸を中心に活動する劇作家と、オーディションで集められた役者で作られた専用の劇団となっている。『ココロ』の舞台は第一弾が『水戸市芸術祭演劇フェスティバル』で上演され、今回は東京での再上演となる。舞台に用いられる楽曲は原作者のトラボルタPが新作含め全面協力、イメージイラスト・衣装デザインはredjuice氏が行った。 練習の様子は真
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