ADHDとASD(自閉症スペクトラム)の関係は複雑で不思議です。自分の中でも考えが少しずつ変わっていきます。 児童精神科を数年経験した15年位前にはADHDと自閉症はちゃんとみれば区別できると思っていました。多動や不注意のありかたもADHDと自閉症では違うと思っていたし、先輩医師もそう言っていました。例えば自閉症の多動は親の存在をほとんど意識せず、どこでも行ってしまう、ADHDの多動は親の存在を意識しているとか自閉症の子どもは物の刺激で注意が逸れるけど、ADHDの子どもは物でもヒトの刺激でも注意が逸れるなどです。でも、どうもそう物事は単純ではないなと思い始めたのが10年くらい前です。何よりも幼児期にADHDと診断した子どもをフォローしていくと10歳くらいから、自閉症スペクトラムと診断変更(あるいは追加)が必要な子どもが少なくないことを実感してきました。その逆の変更が必要だと感じたことがほと