さいたま市は今月16日、宗教法人善弘寺分院宗永寺(本部・東京都足立区)が運営する同市岩槻区鹿室の無届け施設について、新たな利用者を制限する行政処分を行った。同市の「貧困ビジネス」を規制する条例に基づく行政処分は初めて。一方、宗永寺が運営する別の施設では、支援者に助けを求める入居者もいる。届け出されている市内の別の施設から逃げ出した男性(56)は埼玉新聞の取材に「入居者は弱みに付け込まれ、囲い込まれている」と実態を語った。 宗永寺は今回行政処分を受けた施設のほかに、市内4カ所で生活保護受給者が入居する施設を運営。いずれも条例に基づく届け出がされている。男性は2011年から宗永寺が運営する2施設で生活してきた。都内のJR新宿駅近くの公園で職員から、「暖かい部屋、毎日の食事がありますよ」と声を掛けられ入居した。 男性によると、入居者に与えられる部屋はベニヤ板で仕切られた3畳ほどの空間。月々の
