無線通信などの標準規格を実現する際に必要な「標準必須特許(SEP)」をめぐり、自動車や通信など異業種の企業間の紛争が国内外で頻発している。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)など新たなビジネスが活性化していることが背景にある。政府は3月末にSEPライセンス交渉に関するガイドライン(指針)を策定した。企業同士が特許紛争を回避できるよう後押し、新ビジネスの創出を促す。(冨井哲雄) 円滑な新ビジネス創出 SEPは標準規格製品の製造・販売に必要な特許。標準規格は製品間での相互接続などを可能にし、消費者の利便性向上につながる。今後、自動車や建設機械など日本が強みを持つ産業と通信業などとの間でSEPのライセンス取引が増えると見込まれる。 これに伴いSEPをめぐる異業種間の対立が激化する。特許庁総務部企画調査課の仁科雅弘課長は「特に自動車メーカーと通信業がSEPをめぐり対立している」