2014年、スーパーの棚からバターが消えました。今もなお、「バターは一人一つ」などの対応が続いています。なぜバター不足が続いているのでしょうか。農水省は、その理由を「生乳生産量が減少したから」だと説明しました。しかし、それはうわべの事情にすぎない、と元農水省の官僚で農政アナリストの山下一仁氏は指摘します。バターが買えないのは、一時的な事情ではなく、構造的に抱える問題があることを3月30日に発売された新書『バターが買えない不都合な真実』でつきとめました。本書から一部を抜粋して、酪農をめぐる利益構造と既得権益者たちの思惑に迫ります。 ◆ある新聞記事への疑問 農林水産省は、バターが足りなくなったのは、2013年に乳牛に病気が多く発生したことや、酪農家の離農等で乳牛頭数が減少していることで、生乳の生産量が減少したためだと説明している。 これを受けて、ある報道は、バター不足の原因として、酪農家の離農
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