日本から持参した「初音ミク」のフィギュアをプレゼントされ「中国では手に入らない。寮の枕元に置いて眠ります」と喜んだsolpie。桂林の川下りにはミクも“同行”した=中国広西チワン族自治区桂林 山水画の世界のようだった。若い女性が中国語で歌い、二胡など中国の古典楽器の音色と緩やかに溶け合っていた。5月、インターネットの動画投稿サイト。歌っていたのは人間ではない。人気の歌声合成ソフト「初音(はつね)ミク」だ。日本語ソフトのミクに中国語で歌わせた技量に感心した。 だが数日後、作者は曲を削除していた。「動画のせいでみなさんが仲良くなれない」とのコメントを残して。中国人をののしる書き込みに嫌気が差したようだ。 作者は中国広西チワン族自治区の学生、郭陽(20)=ハンドル名solpie=。同自治区の桂林へ飛び、車で山奥へ40分入った。水牛が歩む道の向こうに数十棟の校舎が並ぶ桂林電子科技大学。学年末試験