ワタリウム美術館で、建築家でありアーティストの坂口恭平さんの個展が開催中だ。 「東京では1円もかけずに暮らすことができる」。 衝撃的なキャッチフレーズで一躍有名になった坂口さん。「建築家を目指して大学に入ったが、もうすでに建物が余っていた」世代だ。早々に建築の設計をやめ、人の住まい方に興味を向けた。お金や土地を所有しない住まいのあり方はないかと、集合住宅の屋上にあった空の貯水タンクに住むなど、都市に暮らす人とハコの関係について考えてきた。 ▲ 坂口さんにとっての建築の原体験は、小学生のときにコクヨの学習机と毛布でつくった「テント」だった。 ▲ 2階の展示より、公道のガーデニングの例。斬新なパブリックスペースの使い方に坂口さんは純粋に驚いたと綴る。 「不動産は不要だ」「(車輪のついた)家はどこにでも建てられる」など、過激な持論を展開して人々に衝撃を与える坂口さんだが、基本にあるのは都市や生活
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