【ニューヨーク=山川一基】5月に発生したニューヨーク株式市場での史上最悪の株価急落を巡り、米証券取引委員会(SEC)などは1日、ある投資会社のコンピューターを使った自動取引が引き金だった、とする報告書を発表した。予想外の巨額取引につながりかねないコンピューター取引の危うさが浮かび上がった。 急落があったのは5月6日午後2時半ごろ。突然売り注文が殺到し、20分後、ダウ平均は前日終値比で1千ドル近い下げ幅を記録した。その後、急速に値を戻し、午後3時過ぎには急落前の水準近くに戻った。 報告書によると、きっかけはある大手投資会社が約41億ドル(約3400億円)もの先物の売り注文を一気に出したことだった。報告書は名指ししていないが、複数の米メディアは、この会社を「ワデル・アンド・リード・ファイナンシャル」(カンザス州)と特定している。 この投資会社は、株価が下落している際はリスク回避のため、株