2027年に開業予定のリニア中央新幹線は、岐阜県駅が中津川市千旦林のJR中央線「美乃坂本駅」の近接地に建設される。100年前の大正6(1917)年11月に開業した美乃坂本駅の周辺は、リニア開業を機にどう生まれ変わるのか。関係者の夢は膨らむ。 美乃坂本駅は当時の坂本村に国鉄(当時)が建設した。国鉄中央線は明治35(1902)年に名古屋-中津(現・中津川)間が開通し、同41年には長野・塩尻駅まで延伸した。しかし、東濃地域で駅が設置されたのは大井駅(現・恵那市大井町)と中津駅だけで、坂本村は通過点に過ぎなかった。「中津川市史」などによると、当時、坂本村の山田金十村長らが猛烈な駅誘致運動を展開し「坂本村から東西両駅へは2里(約8キロ)に及び、貨物の搬入は困難。陸軍の演習場があるので兵士や貨物輸送に多額を要するが、停車場新設により一挙に解決し、産業が発展して人口も増加する」との請願書を、鉄道行政の中