貧困や紛争、気候変動、教育の不平等にジェンダー差別など、世界を取り巻く問題は複雑化している。これらの問題を解決して、地球上の“誰ひとりも取り残さない”ためにできることをしよう──そんな大義を掲げて地球規模で大きなうねりとなっているのがSDGs(持続可能な開発目標)だ。しかしその行動は、果たして本当に世界のためになっているのだろうか。いま注目を集める気鋭の経済思想家・斎藤幸平さんが「SDGsの誤謬」を見抜く。【全3回の第1回】 【表】SDGsが掲げる17の目標 「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「ジェンダー平等を実現しよう」「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」「働きがいも経済成長も」「気候変動に具体的な対策を」──これらは17項目からなるSDGsの目標の一部だ。2015年の国連サミットで採択され、経済を持続可能な形で発展させてよりよい世界を実現することを目指している。 SDGsの前身と