ぎりぎりになって新入生演習共通テキストの教材を書く。なぜぎりぎりになるかといえば、提出する相手が自分(教務委員)だから。これで共通テキストの編集作業は一応完了のはずなのだが、書式の統一などをやっているといつの間にか一日が終わっている。 課題例5 J・S・ミル『白由論』の最後の八つの段落(岩波文庫、1971、217頁6行目~229頁/中公世界の名著38、1969、340頁下段18行目~348頁)を読み、要約と論評を試みなさい(2400字以内)。 1.『白由論』の執筆目的――危害原理の提示 課題資料として挙げられているのは『白由論』の最後の部分で、そこでは政府が個々人の活動を積極的に手助けすることの問題性が論じられています。『白由論』が主に論じているのは政府が個々人の活動を制限することの問題性なので、この部分は、本論と直接関係のない傍論として片づけられることも少なくないのですが、非常に重要な内