「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業 廃止措置研究・人材育成等強化プログラム」という長く(酷いセンスの)ネーミングのプロジェクトに参加するようになって半年が過ぎた。 残念ながら、廃炉をめぐる現状は何一つ変わらないまま5年が過ぎようとしている。というよりもこの数ヶ月で悪化しているとさえ思われる。オリンピックやパラリンピックで日本が盛り上がっているタイミングで発表された福島をめぐるいくつかの事案は、福島をめぐる環境がさらに手の付けられない状態に陥っていると考えざるえない。 技術的な点では、あれほど期待された凍結土による汚染水のブロックについて、東電から、福島第一原発の凍土遮水壁は完全に凍結させることが難しいとの見解が示された(7月20日)。これまでの「完全閉合」(100%凍結)からの方針転換である。 デブリ(メルトダウンで生じた核燃料と融合した物質)に関する回収の見込みも全くない。