○第157回(2015/10) 出版業界紙『新文化』のフロントページに、11月下旬の二週間に亘って拙稿を掲載していただいた(10.22号、10.29号)。テーマは、出版業界の「収縮=シュリンク」である。 「シュリンク」という言葉は、ぼくたちの業界では、コミックに被せるビニールカバーのについて使われる。コミックの「シュリンク」は、商品より少し大きめのビニール袋にコミックを入れ、熱によってビニール袋を収縮させることによって行う。 第一週には、「返品率抑制策」を至上命題とすることによる出版流通の「量的シュリンク」、第二週には、そのこととも深い関係を持つが、POS データ至上主義による「質的シュリンク」について批判的に書いた。今の出版ー書店業界は、さまざまな面で、コミックのシュリンクのように「縮み上がっている」と感じるのだ。 『新文化』からのそもそもの依頼は、「買切」について書いてほしいというもの