決勝の会場、ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム。10万人を収容するアジア屈指の巨大施設だ【 photo by 宇都宮徹壱 】 決勝の朝は、何とも慌ただしいものであった。 パレンバンのホテルを朝の8時に出て、昼ごろにジャカルタのスカルノ空港に到着。昨晩から一睡もしていなかったので、ホテルにチェックインしたらそのままベッドに倒れ込む。目が覚めると、すでに空は暗くなっていた。いかん、いかんと急いで身支度を整え、スタジアムに直行。そんなわけで、私にとって初の訪問となるインドネシアの首都・ジャカルタの印象というものは、「高いビルが多い」という程度のものでしかない。 決勝の会場、ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムは、1962年に建てられた古いスタジアムだが、収容人数は10万人。しかし、箱が大きいだけに不安もある。いくらファイナルとはいえ、イラク対サウジアラビアというカードに、果たしてどれだけ客席が埋ま