日本食といえば、誰もが米を思い浮かべるだろう。確かに朝鮮半島でも中国でも、あるいは東南アジアの国々でも、米が食べられているが、とりわけ日本では米が重要な位置を占めてきた。そして日本でおかずといえば、今でこそ肉の消費量は増えたが、やはり魚のイメージが強い。こうした米と魚は、基本的には東南アジア・東アジアというモンスーンアジアの大きな特徴で、高温多湿なことから稲作に適するとともに、これには大量の水が必要で、そこには魚が棲むことから、米と魚の文化が生まれた。 これに対して、西アジア・中央アジアおよびヨーロッパなどでは、寒冷乾燥な気候であることから、麦作が盛んで小麦が主な食料となっている。これには牧畜が伴い、乳を出す牛や羊などが飼われることから、肉と乳が組み合わされた食生活が営まれた。米は脱穀して精米すれば、そのまま粒で食べることが出来るが、小麦は外皮が剥がれにくく粉食とするほかないので、パンやナ