グラスタワー 私はどこにでもいるしがない教師。 やるべきことを淡々と。 日々のやるべきことを淡々と。 キーンコーンカーンコーン。 思い返してみると、随分と長い間こうやって生きている。 趣味があるわけでもなく、楽しみにしていることがあるわけでもなく。 日々の与えられた役割をこなすための準備をするだけのつまらない毎日だ。 長らく生きているものの、誰かの会話や、テレビで聞こえてくるような、面白い話や、悲しい事件や、凄惨な事故とは、確率論的にもそうそう出会えるものではないとは思っているものの、こうも出会わないというのは、現代的な表現をするならば、持っていない、に尽きるだろうし、変動を起こすための出来事の軌跡にすらかすっていないということだ。 かつては、週末に飲みに行く友人と言うか、同僚がいたものだが、時の流れとともに、それぞれが背負うものを持つようになって疎遠になっていった。 そんな時の話でも特段