後書きに代えて ― 累積について(1989年) 2006年04月08日 私の著作『書物の時間』序文(http://www.ashida.info/blog/2006/04/post_135.html#more)に続いて、後書きを掲載します。この後書き(1989年)は、序文(1982年)と7年間の開きがありますが、内容が裏表のようにセットになっています。今から思えばこの後書きは私の、大学との哲学的な決裂の宣言でした。 ●後書きにかえて ― 累積について(1989年) ① 同意の現在高 自分が当然のことだと思っていることでも、他人にとってはそうではないことがある。感情的なこと、価値に関すること、あるいは経験的なことについては、そういうことは、日常的にありふれたことであるにしても、だからといって理性的なことでは、それが例外的なことだとは言いきれない。むしろ経験的な類いのことについては、初めから他