夜になると、 窓の外からバイクの音。 やっと帰ってきたなと ソワソワしながら、 顔には出さないようにする。 音が聞こえてから数分後に 玄関の扉が開くと、 やっぱりねとうれしい。 「バイクを置ける家がいい」 彼の希望で探してみると、 意外とバイク置き場は 貴重なのだと知った。 諦めかけていたときに、 やっと見つけたこの家。 “バイク置き場あり”の 文字を見つけた瞬間に 「っしゃ!」とうれしそうに ガッツポーズした彼を、 いまでもまだ覚えている。 かわいかったな、 本人には言わないけど。 部屋は5階建ての マンションの最上階。 エレベーターがないことに 僕はウッと思ったけど、 彼は「いい筋トレじゃん」と どこか楽しそうだった。 住んでみたら確かに、 自然と足腰が鍛えられている。 インドア100%の僕だから、 これくらいの運動は したほうがいいのかもしれない。 広々したリビングダイニングは、 僕