まず、建てられた時の 格の違いのようなものを感じた。 間口狭く、 奥行き長い、 本当の意味での庶民の家としての 京町家もそれはそれで良い。 一方で、 この贅沢さ。 同じ京都でも、 様式がこうも違うのか…と。 いや、もちろん、 年代も様式も地理も違うのですが、 それでもね、うん、 特別さは十分に感じる。 実はこの物件、 戦前、戦後に御活躍された 名工 北村傳兵衛さんという方の建築で、 こちらは昭和三年のもの。 しかし、さすがに纏う雰囲気は 格別なものがある。 誤解を恐れずにいうと、 和の暖かな雰囲気と共にある うすら寒ささえ覚える枯れ感。 曰く、 当時珍しかった ラワン材やトガサワラなどの 南方の材木を大胆に用いて、 伝統技術と 掛け合わせての制作だったとか。 なるほど。 和建築の進化系として 作られたわけですね。 そして オリジナルの時代から蓄えてきた おもしろさ、 わびやさびも損なう事な