街の絵を描いている。 小春日和の鴨川。 飴色の京都タワー。 紅葉がパッチワークのようになる石畳。 独立して4年目。 描き続けて、 少しずつ絵で 食べられるようになってきた。 まだバイトは欠かせないけど。 天窓があるおかげで やわらかな日差しを 感じられるこの部屋は アトリエ。 ガラス雑貨を作る 彼の工具も散らばっている。 磨りガラスで仕切られた二間は 生活スペース。 ここに住んでから、 格子の影の傾きで 1日の時間を 実感するようになった。 いつも、ちゃぶ台でご飯を食べる。 冬はもちろん、コタツになる。 コタツで寝落ちする前に 自分を律して向かう二階は、寝室。 三角屋根がチャームポイント。 布団をふたつ並べて敷く。 越してきた日は 修学旅行みたいってはしゃいで 眠れなかった。 台所は、土間にある。 この細い土間のことを 「走り庭」とも言うんだよって 彼に教えてもらった。 台所には、おくどさ