低いソファが好き。 ベッドも低いものが好き。 洋室でも和室でも、 床に近い暮らしが好き。 好きというか、 もうずっとそう暮らして来た。 このお家も そうやって暮らす自分の姿と、 遊びに来てくれるかもしれない あなたの姿を思い描いて、決めた。 春に初めての一人暮らし、 たなびくカーテンが、 優しく部屋の中を踊る。 それを眺める優しい笑顔のあなた。 そんな期待に その小さな胸を膨らませて。 あっけない、そう言えるほど あなたが遊びに来てくれるまで、 時間はかからなかったけれど、 それでもなかなか先には進まない。 決して狭くはないけれど、 驚くほどの広さもない我が家。 大人二人が動いていると、 それなりの接触は生まれる、はず。 それでも 肌が触れ合う事は数えるばかりで まるで猫の様に あなたはいつもスルスルと。 少し残念な気持ちと、 拍子抜けな気持ちと。 それでもあなたはこの部屋を 自分の家のよ