ベランダとキッチンの小さな窓からの 緑色の光が優しくって、大好きだ。 はじめに間取り図をみたときは、 ふつうの1LDKじゃない、と思ったけれど、 心をくすぐってくるレトロな外観に 目の前を哲学の道の疎水が流れるときたら 一気に目が離せなくなった。 目が覚めたらベランダに出て、 大文字を眺めるのが日課になった。 いつも同じ風景だと思っていたけれど 見るたびに違ったすがたをしている。 ちかごろの朝は、すこし澄んでいる。 それから職場のほうをちょっと眺めて、 気持ちを仕事のほうに切り替えていく。 丸い手すりも、壁の素材感もいいでしょう。 なぜだかどこか懐かしくて、 そこが愛おしいんですよね。 きれいに改装されているけれど、 天井の構造に古さが感じられて、好き。 あさごはんでも作ろうか。 凹んでいるところにぎゅうぎゅうに詰めた 木べらを取り出してバターに火をかける。 大きめの木の机をゆったりと置い