連載の第1回から第3回では、DNA(デオキシリボ核酸)を素材にして様々な構造物をつくる「DNAオリガミ」という技術を紹介しました。そして第4回から第6回では、そのDNAオリガミに、微小管とキネシンというタンパク質を組み合わせて、群れをつくるナノサイズのロボットや、人工筋肉をつくる技術にスポットを当てました。 これらのDNAやタンパク質は、生体内で遺伝情報を伝えたり、様々な物質を運ぶのが本来の役目です。それを人間が、全く別の形で利用しようとしているわけです。 あまり目立たないのですが、私たちの体には、もう1つ「リン脂質」という重要な物質があります。それはDNAやタンパク質の器である「細胞膜」の材料です。最近は中身のない膜だけでも、変形したり分裂したりできることがわかってきました。今回からは「生命の起源」に関する研究でも注目されている、リン脂質に秘められた可能性を見ていきましょう。 細胞膜は洗
![無生命でも増殖する"人工原始細胞"の誕生(藤崎 慎吾)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d11cb6500756d280a33cfc7ccf2174f2ed9c2f9c/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fa%2F0%2F1200m%2Fimg_a019acd38bc38392585a3b68f7510bd960284.jpg)