一風変わった農大のキャンパスライフを描く『もやしもん』が話題だ。『げんしけん』『のだめカンタービレ』などそのほかの大学マンガの人気も沸騰中。新入学シーズンを前に、作者、石川雅之さんのインタビューでその魅力を探ってみた。(佐藤憲一) 『もやしもん』(講談社)の舞台は東京郊外の架空の農業大学。異色のキャンパスを選んだのは、石川さんが大阪府立大学の農学部(当時)、担当編集者も東京農業大学の近くで暮らした経験を持つことがきっかけだった。 「子供のころ大学の中を通ると、牛や馬が歩いていたし、醸造学科を持つ大学もある。いったい何をしている所だろうと疑問がわいてきた。僕自身、お酒が好きですしね」 上京し農大に入学した種麹(たねこうじ)屋の息子、沢木。なぜか極小の菌が見える能力を持ち、教授や先輩たちの巻き起こす騒動にてんやわんやの日々――。 田んぼや牧場のあるのどかなキャンパスに、学生たちの破天荒な行動が