毎年多くのファンを魅了して、10周年を迎える人気アニメ『プリキュアシリーズ』。女の子向けであるこのシリーズは、本来のターゲット層に留まらず、魅力的なキャラクター・ストーリーで幅広い人々に支持をされている。今までにない発想を当たり前のものにした革新的な作品はどのようにして生まれたのか。まさにこのシリーズの生みの親とも言うべきプロデューサーの鷲尾天氏にインタビューを行なった。(interview:柏木 聡 / Asagaya/Loft A) 今までにないシリーズ ——プリキュアまでは、どのような作品に携わられていたんですか? 鷲尾:まずは研修のような形でOVAの作品に配属されました。次にアシスタントのような形で『金田一少年の事件簿』のスタッフに入りました。初めてアシスタントプロデューサーとして関わったのが『ワンピース』の立ち上げですね。そこで1年ほど経験を積み、独り立ちしたのが『キン肉マンII