作家の瀬戸内寂聴氏が、2015年11月号の『小説すばる』にて、「さよならの秋」と題した掌編小説を掲載し話題になったことは記憶に新しい。この掌編にはのっけから「LINE(以下ライン)」が登場する。主人公の「千晶」なる女性が、独白形式の視点で吐露するのだが、要するに「瑛太」なる恋人にラインでメッセージを3回送っても既読にならないから、それは無視である云々という「一方的最後通牒」ではじまる。が、自分の方は方とて学生団体「SEALDs」に参加してそのグループの「同志男性」を好いてしまったので、「瑛太」は自分にとって最早無意味であり過去人である。そして兎に角「戦争法案」はよろしくない、という内容の小品であった。