大量の不要品やゴミをため込んだり、積み上げたりする「ごみ屋敷」をめぐるトラブルは近年、全国各地で発生し、周辺住民や自治体などを巻き込んで社会問題化している。そんな中、奈良県五條市で、自宅前の道路に大量の家財道具などを積み上げて通行を妨害したなどとして、奈良県警五條署が7月10日、道路法違反の疑いで無職女性(63)を逮捕した。女性宅は5年ほど前から自宅前の道路も含めてごみ屋敷化し、県警は異例の逮捕に踏み切ったが、女性が釈放された後も自宅敷地内はごみに埋もれたまま。かつては小学校で教鞭(きょうべん)もとっていたという女性が、なぜ、ごみ屋敷をつくり出したのか。専門家によると、ごみ屋敷の住人には、生活を維持する意欲や能力を失う「セルフ・ネグレクト」という心理状態が多くみられるという。(山本考志)あふれる“ごみ” 女性の自宅は、奈良県南西部に位置する五條市のJR和歌山線五条駅にほど近い住宅街の一角に