ゴール前でボールを受けた常盤聡が豪快に右足を振り抜くと、ボールはゴール左隅に突き刺さった。9月1日、雷雨により順延になっていた大分戦(第19節)で挙げたプロ入り初ゴールは、チームに8試合ぶりの勝利をもたらす値千金のゴールとなった。 その後がすごかった。ゴールを決めるとサポーターが陣取るバックスタンドのほうに走り、そこで見事なバク宙を決めたのだ。この派手なゴールパフォーマンスによって、スタジアムは興奮のるつぼと化したのであった。 「パフォーマンスは決めているんですよ」。以前から常盤はこう言っていた。ある日の練習後、サポーターからせがまれてバク宙を披露することがあったのだが、その後に「次はホームでゴールを決めた後にやりますよ」とキラキラした瞳で常盤はそう誓った。それがやっと実現したのだ。 常盤は小学校時代、器械体操をやっていたという。「ジャンプでの全身の使い方など、体操から学んだことは多