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読み物と人間関係に関するcanakiのブックマーク (1)

  • たちの悪い鏡 - 傘をひらいて、空を

    打ちあわせから戻ったら七尾が彼のデスクの前に立っていたので彼の腹の底に小さな吐き気の種が生まれた。それから七尾の指がデスクの天板に触れているのを見て取った。種が浮上する。七尾はさりげなく背後の自分のデスクに戻る。何か、と不自然なほど遠くから彼は声をかける。七尾は後ろを向いたままかすかに首を振る。 七尾は彼の同僚で、同じ仕事をしている。職位も同じだ。今のところは、と彼は思う。彼はその部署でひとりだけ飛びぬけた成果を出している。顧客たちは彼を指名し、彼の仕事に他の五割増しの対価を提示する。彼が取ってくる、あるいは彼にやってくる仕事のすべてを彼が引き受けることはできない。彼の上司がそれを他のメンバに振り分ける。七尾もそのひとりだ。 七尾がぬっと彼の視界に入ってくる。彼は眉をひそめる。二時、三時、と七尾は言う。彼は眉のあいだの皺を深くする。ミーティング、と七尾は言う。定例ミーティングの時間が変更に

    たちの悪い鏡 - 傘をひらいて、空を
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