最初がいつだったのか、それはさっぱり覚えていないけれど ただ、気づいた頃には自分の中で別の声が聞こえるようになっていた 独り芝居とはまた違って 何と言うか、それは自分の意思とは別に動いているような気がしていた でも、その声はいつも私を良しとしていたから私は特に不満は無くて いじめられても叱られても殴られても その声が私を責め立てる事は決してなかったので いつしかそれは独立して行ったわけです そのうち声が1人増え2人増え 気づくと自分で把握できない位のそれが私の中に確立されていて だんだんとこれはいかんと思うようになるものの 時既に遅し 頭の中ではいつでも会議状態 ざわざわと騒ぎに騒いで それは時に私が眠っているはずの時間にも行われる事になり そのうち自分のコントロールもきかなくなり ぶわっと溢れてしまったわけです おしまい