「ヨーロッパの実体主義に対してアジアが潜在的に育んできた「関係主義」の思想を掘り起こし、それを体系化したのが廣松渉の世界観である」(野家啓一)。 廣松渉著作集(岩波書店)が中国語に翻訳されたのを記念して南京大学で行った野家啓一の講演『広松哲学の成立過程』が雑誌『情況』(情況出版)2004年7月号特集「今、なぜ廣松思想なのか」に掲載されている。この講演から廣松哲学の核である「認識の四肢的構造連関」と「物象化」に係る部分を引用する。この講演のなかで野家は廣松の事的世界観や認識の四肢的構造という廣松哲学の核となる概念をスッキリ説明している。以下引用ページはことわりがない限り雑誌『情況』のページを示す。廣松は漢字変換できない文字、や難字をやたらに使うので正確な変換を行わない箇所があることをお断りしておく。 なお、廣松渉の主著は文庫本として数冊が出版されている。廣松の哲学入門書は新書になっている。
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